Double Dutch Espresso

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村上春樹は、神宮球場の外野で野球を見ている時にふと「小説家になろう」と思い立ち小説家になった、というのはファンの間では知らない人はいない有名な話。何を隠そう私も、このDouble Dutchでコーヒーを飲んでいる時にふと「そうだ、コーヒーブログをやろう」と思ってこのブログを始めた。なんて、わざわざ村上春樹を引き合いに出して言うほど大層なブログではないのだけど、一応本当の話。

マンハッタンの中でもアッパーは数年前までコーヒー不毛地帯だったと、Birchの時に書いたけど、このハーレム地区はさらに何も無かった。アッパーがサバンナレベルだとしたら、ハーレムはコーヒー砂漠とでも言おうか。だから、このDouble Dutchができたときは、ついにあの波(◯ードウェーブとは言いたくない)がここまでやってきたかと感慨深かった。

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なにせ本当に家から気軽に歩いて来れるご近所コーヒーショップができたのである。見つけるやいなや即店に入ってラテを注文し、「そうかー、できたかー」などと一人悦に入っていた。そして、「私は一体今までどれくらいのコーヒーショップに行ったんだろう?」と、おもむろにこれまで通ったニューヨークのコーヒーショップを頭の中で数え始めた。

それぞれの店に思い出や思い入れがある。そんなあれこれを思い出していたら、「なんだかすごい数行ってる気がする」ということに気付く。ニューヨークのコーヒーはかなり美味しいと思うけど、そういえばコーヒーショップがまとまっている本やブログは見たことない。それで備忘録も兼ねてこのブログを始めたという訳。

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何だか前置きが長くなったけど、要はDouble Dutchがこのブログの生みの親のようなものなのだ。今回も、ニューヨークに戻ってきた次の朝にはここに来て、当然のようにコーヒーを飲みましたとも。

コーヒー豆はCounter Cultureを使っていて、味はまあ普通。普通というのは私にとってはとても有り難いことで、毎日飲めるということ。ペイストリーは、いわゆるコーヒーショップのラインナップ。

WiFiはフリーだし、トイレもあるし、テーブルとイスも十分ある。それにバックヤードまである。常連にはうれしいポイントカードだってある。これと言って特徴的なものは無いけれど、私がコーヒーショップに求めているものはすべてある。正に普通のお店。普通のお店が近所にあるから有り難い。

この地域の人たちも、こういうコーヒーショップを待ち望んでいたようで、オープン当初から常に人がいっぱい。朝はコーヒーを買って駅に急ぐ人で行列ができるし、ネットを使いながら仕事らしきことをして長居する人もいれば、最近では入り口付近の大テーブルを観光客が占拠していたりもする。もうすっかりこの地域に馴染んでいる。

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数ヶ月ぶりにニューヨークに戻ってきて、ブログを始めるきっかけになったお店も紹介したところで、今回もまたあちこち回ってみたいと思います。

 

2194 Frederick Douglass Blvd, New York, NY
Mon-Fri 7 am-7 pm
Sat-Sun 8 am-7 pm
WiFi Yes
Restroom Yes